私は特別

いつもの帰り道、ふくらはぎがパツパツなジーパンと、1日替わりで着ているダブダブしたシャツに地味な鞄を肩にかけて歩く自分の姿をきれいな店のガラスに見て、どうして自分はこんなに気味が悪いんだろうと悲しくなった。
うつむいた先には地面が近く、ジーパンの裾と靴しか見えなくて、それだけのことが既に十分過ぎるほど野暮ったい。
モッサリとしていかにも鈍そうな、何を考えているのか分からない気味の悪い生き物、それが私。
言葉の通じない動物みたいなものだと同僚には思われているっぽい。
私自身も会社での自分がそのまま目の前に現れたら目をそらすだろう。
久しぶりにじっくりことこと自分が気持ち悪い人間だという事実を現実の熱で煮込むような気持ち。
ブスとかデブとかそんなの些細な具。
ダシそのものが、骨の随からねじくれた卑屈なエキスで具材をさらにまずくする。
いつも完璧に0点。
何を着ても気持ち悪くて、服を買いに行く勇気がでない。
宝くじが当たったら、私の身なりを整えて、これで大丈夫ふつうのデブスですよと太鼓判を押してくれる人を雇いたい。
変じゃない、と客観的な視点で、お世辞や暗示抜きで判断してほしい。
醜いことはおいといて、「変じゃない」私にしてほしい。